まちのすきまカフェ2019

日常生活において、その存在を忘れかけている「すきま」にスポットを当てることで、物理的空間にとどまらず潜在化している機能や視点、記憶などを掘り起こし、まちにおける存在意義やまちそのものを再定義する「まちのすきまカフェ」。今回は、寒風陶芸会館を舞台に、吉備地方最大の須恵器の生産地“寒風古窯跡群”を発見した在野の考古学者「黙水さん(本名:時實和一)」の魅力をアーティストと探ります。

ワンピース風のユニークな服を着て、草の根を分けるように寒風の山の中を丹念に歩き発掘した黙水さん。農業の傍ら俳句や短歌に熱中し、住まいの鶏舎には、天井から相当な数の須恵器の破片が吊るされていたといいます。「苦寙亦至宝」歪み、割れたものもまた宝であるという、恩師・赤枝梅軒の言葉を自分の生き方に準えて、淡々と生きた黙水さん。秋の1日を黙水さんとあそびます。