笠岡諸島アートブリッジ2024

欧州の伝統壁画技法「ズグラッフィート」白石島のモチーフで壁画制作!

お披露目会の様子11/10日

11月10日(日曜日)にズグラッフィート白石島のお披露目会を実施しました。

カタタチサトさんと岩本象一さんによるパフォーマンスから始まり、関係者の挨拶では、それぞれの関わりや時間から生まれる言葉が熱く心に響きました。

白石踊会の皆さんとの踊りや、島の皆さんの手作り感のある紅白幕セレモニーもありました。

この先も、ラデックさんと制作した壁画を見ながら、島のことを話す人が増えていきます。

アートがある日常が、未来を作っていく。そう確信できた1日でした。本当に、皆様、ありがとうございました。

 

お披露目会開催のご案内

開催日 :2024年11月10日 (日)13時〜15時 開催場所:笠岡市白石島 松浦邸

みなさまのご参加をお待ちしています!

白石島モチーフの壁画制作、みなさまのご協力のもと公民館、松浦邸、片山邸、3箇所の制作が完成しました。お披露目会を開催いたします。

ゲストアーティストによるパフォーマンス :岩本 象一/打楽器演奏家 & カタタチサト/ダンサー

新しくできた壁画からどんなパフォーマンスが生まれるのでしょう。一緒に完成をお祝いします。

<セレモニー予定>  ※内容の変更・順番は前後することがあります。

・関係者・来賓の挨拶

・主催者より制作過程の説明  アーティストより制作動画の紹介

・各壁画前に移動:記念写真(公民館道側、片山邸、松浦邸)

・ゲストアーティストによるパフォーマンス

・白石踊 ・振る舞い(樽酒、お土産)

ゲストアーティストによるパフォーマンス :岩本 象一/打楽器演奏家 & カタタチサト/ダンサー

 

 

滞在制作:ラドスワフ・プレディギェル |ポーランド出身・岡山県瀬戸内市在住|

(愛称:ラデックさん)

ポーランド生まれ。1998年ワルシャワ国立芸術大学卒業、3年間同大学アシスタントとして勤務。2004年日本に移住。備前福岡、白石島、吹屋、児島、美咲町などのアートイベントに参加。ポーランドの小学校、パリ、美咲町、牛窓ホテルリマーニでフレスコ画。ポーランド、フランス、ドイツ、日本でグループ展。水彩、油彩、デッサン、テンペラ。 専門はフレスコ画。「ズグラッフィートin瀬戸内市オープン美術館」の取り組みを継続している。「ズグラッフィート」による壁画の制作で使用する消石灰は、岡山県新見市のもの。高梁川水系の地域資源を活用しながら新しい風景を生み出していく。

 

滞在制作はじまりました!→無事終了&お披露目します!(R6.11.10 日曜日 )

◾️片山邸の壁画(R6.10.18-10.21)

片山邸の壁画、白石踊りを全面に表現した壁画制作を実施しました。

10/17日から島に再び滞在して壁画の下準備を始めました。壁面の湿度チェック、水分補充〜黒色の層の塗り重ね、乾き具合のチェック、表面の荒らし(白色を塗り重ねやすくする)などを行い、カバーをして乾燥具合をコントロールして、18日の作業につなげます。

18日風は強いけど天気はまずまず。作業が進みます。白石踊りのモチーフから原寸大に拡大した下絵スケッチを実際の壁に当てて、どこにどの人物の踊り手を配置するか慎重に位置決めを行いました。島のみなさんからのアドバイスを受けながら最終決定しました。風と悪戦苦闘しながら、なんとか位置決めを行うことができました。また波模様を表した象嵌部分の黒色の削り作業(青海波)などを行いました。

19日は、海風や雨の影響もあり朝一の養生など作業を行なって一時中断〜終了となりました。残念!

20日早朝7時から再スタートしました。島のみなさんは早起きです。朝日とともに作業を始めました。黒色の壁面に、さらに白色の層を重ねます。一つはコテ塗り、もう一つは刷毛塗りです。コテ塗りは、大柄なモチーフに向きます。刷毛塗りは、精密な図案に向きます。踊り手の人物部分は刷毛塗りで白色を塗り重ねたところに描いていきます。また、背景となる周囲の風景を表す木々などを描く箇所はコテ塗りでメリハリをつけていきます。またコテ塗り約5mm~10mmと刷毛塗り0.1mm~0.5mmでは塗り重ねる厚みが違います。それにより図案の遠近を壁画の中で表現できます。18日に下絵の位置決定をした内容にそって、下絵の紙を直接壁面に当てて鉛筆などを使い、紙の上からスケッチラインをなぞり、跡をつけて壁に線をトレースしていきます。青海波(せいがいは)模様の白色の象嵌、そして削り出し作業を進めていきました。ちょうどこの日は、島の大運動会が白石島で開催されたため、多くの人が船で島を訪れてきました。飛び入りで壁画制作の削り作業に参加される方がいたり、壁画の前で立ち止まるみなさんに向けて、壁画の紹介プレゼンを即席で行ったり、みなさんと楽しいひと時を過ごしました。19日の遅れを取り戻すべく、日が暮れるまで作業は続きました。みなさんのたくさんのご協力のおかげで無事完成できました!みなさまお疲れ様でした。

※青海波(せいがいは)は、穏やかな波がどこまでも続いている様子を模様にし、扇のような波が重なって描かれた縁起の良い和柄で、「未来永劫に」「平穏な生活が続いていくように」という意味が込められています。

01:壁つくり

02-1:象嵌かべつくり

 

03-1:象嵌かべ_削り

 

02-2:モチーフ壁つくり_トレース

 

03-2:モチーフ壁つくり_削り

 

04:完成&作業の様子

 

◾️松浦邸の壁画(R6.9.2-9.4)

前日までの台風の心配もありましたが、当日の初日は、予想以上の晴天に恵まれました。今回下地の色を黒ではなく、黄色のベース色にチャレンジしました。室内の土壁ということもあり、他の漆喰壁との調和からも黄色がよさそうでした。乾き具合のコントロールに関して、漆喰壁への塗り重ね、予想以上に晴天であったことや上塗りの白の塗り重ねを早めるなどスケジュール調整が難航しましたが、無事3日目には、草花と鳥をイメージした壁画が完成しました。次回は、第三弾10/18(金)〜10/20(日)片山邸ブロック塀での制作を予定しています。みんなで一緒に削りましょう。

 

◾️白石公民館の壁画(R6.8.19-8.21)

初日の日の雨天の天候も影響し壁画制作の段取りが半日ほど後送りになりました。壁の乾燥具合は天候の影響も受けやすく、ウェットな状態では、塗り重ねたり、削る作業を少し遅らせたりなど調整が必要でした。2日目、3日目は天候も回復したので、壁の状態を見ながら一気に白石島のみなさんや足立石灰工業の方といっしょに壁画制作をなんとか3日間で完成することができました。ありがとうございました!公民館の壁面3箇所、白石踊りの人物、島の草花・風景を壁画にまとめました。ぜひお立ち寄りの際はご覧いただけたらと思います。時間帯によって、壁の凹凸箇所が光の変化と共に影の雰囲気が変わり、壁画の表情も変化しますのでお楽しみください。次回は、第二弾9/2(月)〜9/4(水)松浦邸での制作を予定しています。一緒に削りましょう。

◾️下地づくりの様子(R6.7.2o-7.24)

石灰砂と石灰クリームを合わせて、石灰モルタルをつくり、それぞれの既存の壁に壁画をつくるための下地づくりを行いました。

片山邸

松浦邸

白石公民館

石灰モルタルづくり

会場の目印:ズグラッフィートのぼりが立っています。

 

欧州の伝統壁画技法「ズグラッフィート」参考イメージ(岡山県瀬戸内市/牛窓の作品)

 

白石島では島民のみなさんと一緒に、どんな壁画が完成するのかお楽しみに!

ズグラッフィートのプロセスを紹介します。(岡山県瀬戸内市長船町福岡の事例より)